戻る 第36回臨床整形外科学会

抄録

Session

シンポジウム1    
骨粗鬆症を伴う大腿骨近位部骨折手術後の地域連携
July 16 th 08:30 - 10:00

Title

Author

写真提供なし
岸田 俊二 (聖隷佐倉市民病院)
小谷 俊明 (聖隷佐倉市民病院)

Abstract

大腿骨近位部骨折(本骨折)は高齢者に多い骨折である。骨粗鬆症が主要な要因の一つである。ひとたび骨折を起こすと反対側の骨折リスクが増大するため骨粗鬆症治療の重要性が知られている。令和4年度の診療報酬改定で二次性骨折予防継続管理料(本管理料)が新設された。これは関係学会のガイドラインに沿って本骨折患者の骨粗鬆症を適切に評価、治療を継続することにより算定可能な管理料である。管理料は3つに区分されており、それぞれイ.急性期病院、ロ.リハビリテーション病棟、ハ.外来が想定されている。本骨折患者は急性期病院で手術を受けた後、リハビリ施設を経由し自宅に帰ることが考えられる。本管理料にイ、ロ、ハの3種類が設定されているのは本骨折患者が病院から自宅に移動していくことで骨粗鬆症治療が途切れないようにすることに主眼が置かれているためである。当院での取り組みを示す。本骨折の手術説明時に骨粗鬆症治療について説明している。術後1週で骨密度を計測して入院中に治療薬を開始している。治療の開始にあたっては病棟薬剤師が治療継続の重要性、薬剤の副作用について教育を行う。データベース作成は医師事務作業補助者が一括管理してもれのないようにしている。リハビリ病院に転院時は二次性骨折治療継続管理料1を算定したことを書類にしてリハビリ病院に確実に伝わるように工夫している。本骨折のフォローと骨粗鬆症治療のため、半年に一回当院で外来フォローをして治療を継続している。大腿骨近位部骨折後の骨粗鬆症治療は急性期から回復期、在宅へ切れ目のない連携が重要である。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.