写真提供なし
石川 徹也 (静岡みらいスポーツ・整形外科)
杉山 貴哉 (静岡みらいスポーツ・整形外科)
氷見 量 (静岡みらいスポーツ・整形外科)
三宅 秀俊 (静岡みらいスポーツ・整形外科)
渡辺 知真 (静岡みらいスポーツ・整形外科)
【対象と方法】2015年3月から2023年2月までにMRIにて新鮮腰椎分離症と診断された成長期の665例を対象とし、その疫学的特徴を検討した。
【結果】成長期腰痛症のうち新鮮腰椎分離症の割合は41.1%だった。男性82.4%、女性17.6%、平均年齢は14.4±1.9歳だった。小学生9.8%、中学生48.9%、高校生41.1%だった。疼痛自覚時期は7月がやや少ない傾向だった。疼痛自覚から受診までの期間が2週間以内のものは51.1%だった。椎体高位はL5:51.9%、L4:32.2%、L3:6.3%、L2:0.9%、多椎体:8.7%だった。発生側は右側23.2%、左側32.2%、両側44.7%だった。病期は小林の分類にてIa-:22.1%、Ia:63.9%、Ib:14.0%だった。スポーツ種目について検討した。サッカー31.4%、野球20.5%、陸上15.2%、バレーボール8.4%、バスケットボール7.8%、その他16.7%だった。新体操では上位椎体に多く発生していた。発生側については、サッカー、野球、バレーボールは両側と比較し片側の割合が有意に高く、野球とバレーボールは利き側と比較し非利き側の割合が有意に高かった。腰椎分離角度については、サッカーは矢状群が有意に多く、陸上は水平群が有意に多かった。発生リスクについて検討した。発生椎体に潜在性二分脊椎を有しているものは小学生30.8%、中学生4.3%、高校生2.2%で、小学生では潜在性二分脊椎保有が発生リスクの一つと推察された。柔軟性テストではHBD、SLR、股関節内旋、胸椎回旋、Thomasテスト、PLFテストの成績不良例の割合が60%以上だった。体幹筋機能ではSahrmann Core Stability TestでLevel 3に達しないものが94.1%だった。柔軟性低下や体幹筋機能不良が発生リスクとなっている可能性が示唆された。再発について検討した。骨癒合確認後1年以上経過した症例のうち再発例は10.2%だった。全例初発時と同一椎体に発生し、85.7%は同一椎弓根部に発生していた。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.