戻る 第36回臨床整形外科学会

抄録

Session

シンポジウム2    
腰椎分離症アップデート
July 16 th 10:10 - 11:40

Title

Author

写真提供なし
畠山 健次 (船橋整形外科病院)
星加 昭太 (船橋整形外科病院)
白土 英明 (船橋整形外科病院)

Abstract

【背景】腰椎分離症は関節突起間部の疲労骨折であり、早期に診断できればほぼ骨癒合が期待できるが、癒合せずに落胆する症例や、診断した時点で既に進行期で癒合が難しい症例が少なからず存在する。そこで、長管骨において遷延癒合・偽関節に対する骨癒合促進効果が認められている体外衝撃波療法(ESWT)を応用できないかと考え、今回腰椎分離症患者にESWTを施行しその効果を検証した。【対象と方法】対象は2022年1月以降、腰椎分離症と診断され、保存療法開始3か月経過後も癒合していなかった遷延癒合例6例と、保存療法開始時からESWTを施行した新鮮例4例の計10例とした(片側6例、両側4例)。使用機種はDUOLITH(STORZ MEDICAL, Switzerland)、透視下に分離部をマーキングし、痛みの再現性がある部位に原則2週に1度照射した。最大照射レベル0.50mJ/mmまでの被験者の疼痛の耐えうる範囲の強度で3000発照射とし、同時に当院の運動プログラムを施行した。【結果】全例神経障害などの合併症はなかった。遷延癒合例の両側4例のうち両側とも癒合が1例、1側のみ癒合3例であり、未癒合側は全て終末期であった。癒合までは2か月~6か月を要した。新鮮例は初期2例・進行期2例であったが、コルセットをきちんと装着しなかった進行期1例を除き2か月~3か月で癒合した。【考察】本研究ではESWTにより癒合率向上と早期癒合を目指したが、頻回にCTを撮影できなかったこと(最近の症例はMRIのCT様画像で診断している)と、症例数が少ないため癒合率・期間短縮とも優位とは言えなかった。しかし、癒合が難しい偽両側タイプでも骨癒合が得られたことから、十分期待できる治療法と考える。今後症例を重ねて有効性を確認していきたい。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.