Chair)
謙二 高橋
(船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター)
Chair)
落合 信靖
(千葉大学 整形外科学)
高橋 達也 (トヨタ記念病院 整形外科)
酒井 忠博 (トヨタ記念病院 整形外科)
面谷 透 (東京先進整形外科)
高橋 謙二 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター)
体外衝撃波治療(Extracorporeal shock wave therapy : ESWT)は、1980年代より尿路結石に対する砕石治療法として用いられていたが、同時に腸骨稜の肥厚が確認されることが注目され、1980年代後半から骨折治癒や偽関節の骨癒合促進を期待し研究が進んだ。その後、難治性腱症や腱付着部症に対しての治療効果が確認され、近年では運動器疾患に対し幅広く用いられるようになった。わが国では難治性足底腱膜炎に対しての使用のみが保険収載されているが、国際衝撃波治療学会(ISMST)では難治性腱症・腱付着部症全般、疲労骨折、骨壊死、離断性骨軟骨炎など、様々な運動器疾患に対しての使用を推奨している。ESWTには、自由神経終末の破壊や脊髄後根神経節での神経伝達物質の抑制による徐痛効果と、機械的刺激が細胞からの生物学的応答を誘導することによる組織修復効果がある。この2つの作用をうまく利用することで、患者の置かれている状況に応じて様々な用途で使用できる非常に汎用性の高い治療法であり、筆者の日常診療に置いて必要不可欠なものとなっている。特にスポーツ選手の治療においては、「少しでも早く復帰したい」「疾患が完全に治らなくても痛みのコントロールをしながら競技を継続したい」というニーズに応えるため、使用頻度が高い。本講演では、下肢疾患に対するESWTの使用について、筆者のこれまでの臨床経験を若干の文献的考察を加え紹介する。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.