写真提供なし
小林 佑介 (早稲田大学大学院 スポーツ科学研究科)
奥野 修司 (阪奈中央病院スポーツ関節鏡センター)
井上 幸輝 (百武整形外科クリニック)
佐竹 勇人 (阪奈中央病院スポーツ関節鏡センター)
熊井 司 (早稲田大学大学院 スポーツ科学学術院)
拡散型圧力波(Radial Pressure Wave Therapy:以下RPW)は、集束型体外衝撃波(Focused Shock Wave Therapy:以下FSW)と同様に除痛作用と組織修復作用を持つとされ、足底腱膜症やアキレス腱障害などの腱・腱付着部症に対して使用されるなど、適応疾患はFSWと概ね同じとされている。さらにRPWの効果として関節可動域の改善効果が報告されており、臨床において術後の関節可動域制限に対して用いられ、スポーツ現場においてはコンディショニングに用いられている。このように、RPWを除痛や組織修復のほかに関節可動域の改善を目的として使用する機会が増えてきている。我々もリハビリテーションにおけるRPWの活用方法として、主に関節可動域制限の改善を目的とし使用している。RPWの関節可動域改善効果は、リハビリテーションの臨床において非常に有益であり、リハビリテーション単独では改善することが困難であった関節拘縮においても関節可動域を改善することができた症例も経験する。このようにRPWは関節可動域制限に対する改善効果が高いと考えられるが、その効果を最大限に利用するためには、関節可動域制限に対する作用機序を知る必要がある。我々はこれまでの研究を通して、作用機序のひとつにRPW照射による組織間での滑走性向上があると考えており、組織間をターゲットに照射を行うことが効果的に使用する上でひとつのポイントになると考えている。本発表では、関節可動域制限の改善を目的としたRPW照射の実際とリハビリテーションにおける活用方法について述べる。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.