写真提供なし
杉浦 史郎 (西川整形外科)
青木 保親 (東千葉メディカルセンター 整形外科)
豊岡 毅 (西川整形外科)
志賀 哲夫 (西川整形外科)
大山 隆人 (西川整形外科)
大森 康高 (西川整形外科)
高田 彰人 (西川整形外科)
大槻 哲也 (西川整形外科)
武田 大輝 (西川整形外科)
冨沢 亮太 (西川整形外科)
月岡 礼子 (西川整形外科)
佐々木 瞭 (西川整形外科)
栗原 強 (西川整形外科)
幸前 尚希 (西川整形外科)
島 風之 (西川整形外科)
大友 圭吾 (西川整形外科)
岡本 弦 (西川整形外科)
奥山 晃平 (千葉大学大学院 医学研究院 整形外科学)
大鳥 精司 (千葉大学 整形外科)
西川 悟 (西川整形外科)
【はじめに】発育期腰椎分離症(分離症)患者は体幹の伸展時痛が出現しやすいとの報告がある。しかし臨床上、分離症以外の腰痛患者でも伸展時痛を有する場合もあり、両者の鑑別に難渋する。今回、分離症に特徴的な動作時痛があるか否かを検討することを目的とし調査した。【方法】単純X線で異常のない若年性急性腰痛患者(10-18歳、罹患期間1ヶ月以内)112名を対象とし、MRIにて椎弓根部の骨髄浮腫を認めた分離群と非分離群(分離症以外の若年性腰痛)に分類した。体幹の屈曲、伸展、右回旋、左回旋、右側屈、左側屈の各動作時の疼痛をNumerical Rating Scale(NRS)にて評価し比較検討した。尚、左右の回旋、側屈時痛は疼痛強度が強い側のNRS値を採用した。統計解析は、両群間の動作時痛を一元配置分散分析にて解析した。有意差が認められた項目に関してROC解析を行なった。【結果】MRIの結果、分離群71名(男性58名、女性13名、平均年齢14.4歳)、非分離群41名(男性26名、女性15名、平均年齢14.5歳)であった。各動作時痛NRS値の内訳は、分離群/非分離群で、屈曲時痛(2.42/2.98,p>0.2),伸展時痛(4.07/4.06,p>0.2),回旋時痛(2.09/2.18,p>0.2),側屈時痛(2.92/2.21, p=0.0429)であった。側屈時痛のカットオフ値はNRS3.5以上であった。【考察】伸展時痛は両群で疼痛強度に差は認められなかった。このため、伸展時痛は分離症に特徴的な動作時痛ではなく、伸展時痛のみでは両者の鑑別は困難だと考える。しかし、側屈時痛は分離症では有意に出現することが判明した。【結論】側屈時痛は分離症の特徴的動作時痛であり、そのカットオフ値はNRS3.5であった。側屈時痛がNRS3.5以上の場合は、分離症を疑いMRI検査を勧めることが望ましい。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.