写真提供なし
武田 大輝 (西川整形外科)
杉浦 史郎 (西川整形外科, 千葉大学大学院 医学研究院 環境生命医学)
豊岡 毅 (西川整形外科)
鬼頭 和寿 (西川整形外科)
三船 昂平 (西川整形外科)
大山 隆人 (西川整形外科)
中村 恵太 (西川整形外科)
志賀 哲夫 (西川整形外科)
石崎 亨 (西川整形外科)
大森 康高 (西川整形外科)
高田 彰人 (西川整形外科)
岡本 弦 (西川整形外科)
西川 悟 (西川整形外科)
【目的】我々はこれまでの調査で、投球動作時の肘下がりと腹臥位での両上肢挙上テスト(prone elevation test:PET)の関連を見出だした。しかしながら、肘下がりとPETの経過については不明である。今回、当院における投球動作指導後のPETと肘下がりの経過を明らかにするため調査を行った。【対象】肩肘痛にて当院に来院し、投球動作指導を行った小中学生38名のうち、初回評価時に肘下がりを呈し、1ヶ月以上経過を確認できた12名(平均年齢11.4±1.2歳)。【方法】調査項目は、初回評価時と1ヶ月後のPETと肘下がりの程度、1ヶ月間の投球動作の指導回数である。PETは、腹臥位にて額は床につけ、肘伸展位を保持したまま両上肢を前方挙上するよう指示し、上腕長軸が床の平行線以上あがる、上腕長軸が床の平行線未満、上肢がベッドから離れない、の3段階で評価した。肘下がりはタオルを把持したシャドーピッチングにて、iPadを用いmaximum external rotation(MER)時に両肩のラインよりも肘が下方に位置するかどうかで判定した。統計解析は、肘下がりが改善した例を改善群、改善しなかった例を非改善群とし、2群でPETの経過と指導回数に差があるか、カイ二乗検定とマンホイットニーのU検定にて検討した(p<0.05)。【結果】肘下がり改善群は12名中8名、非改善群は4名であった。統計解析の結果、改善群は、非改善群に比べ有意にPETが改善していた(p=0.03)。指導回数には差が認められなかった。【考察】先行研究では、MERは胸椎の伸展、肘下がりは僧帽筋中部、下部の筋力低下が関わるとの報告がある。PETは胸椎可動性と僧帽筋機能を含めた複合的な機能評価であることが推察され、MER時の肘下がりに影響したと考えられる。【結論】投球動作指導後1ヶ月で12名中8名に肘下がりの改善が認められ、肘下がりの改善とPET改善に相関関係が認められた。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.