肩関節疾患に対する運動器リハビリテーションの効果の検証
July 16 th 10:40 - 11:30
写真提供なし
八矢 翔太 （船橋整形外科クリニック 理学診療部）
関口 貴博 （船橋整形外科クリニック 理学診療部）
妹尾 賢和 （船橋整形外科クリニック 理学診療部）
平尾 利行 （船橋整形外科クリニック 理学診療部）
高橋 憲正 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
松木 圭介 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
上田 祐輔 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
星加 昭太 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
上條 秀樹 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
松葉 友幸 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
玉置 大恵 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
佐々木 裕 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
喜友名 翼 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
原口 亮 （船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門）
白土 英明 （船橋整形外科病院 人工関節センター）
【目的】肩関節周囲炎は疼痛の遷延化に伴い、不安や恐れ、さらに不満などの感情が同時に強くなっていくことが多い。しかし、疼痛の改善にどのような心理的要因が影響するかは不明である。本研究は肩関節周囲炎患者に対し運動療法を実施した際の動作時痛改善に関わる心理的要因を分析し、運動療法を実施する際に着目すべき点を明瞭化することを目的とした。
【対象と方法】対象は2022年6月から2023年2月までに当グループ外来3施設において肩関節周囲炎と診断された40歳以上の肩関節可動域制限を有する199例（男性69例、女性130例、平均年齢59歳）とした。運動療法は療法士による腱板強化、肩甲胸郭運動、さらに患部外機能改善を含むホームエクササイズを3ヵ月間実施した。動作時痛の評価はVisual Analog Scale（VAS）を用い、心理的要因の評価はPain Catastrophizing Scale（PCS）、Pain Self Efficacy Question-naire（PSEQ）、Short form Central Sensitization Inventory（CSI）を用いた。各評価項目における運動療法実施3ヵ月後から実施前の点数を除した値（改善量）を算出した。統計解析は従属変数を動作時痛改善量、独立変数を心理的要因評価項目の改善量とし、性別、年齢、身長、体重、初回時の動作時痛を共変量として強制投入した重回帰分析を実施した（p＜0.05）。
【結果】改善量の平均点は動作時痛VAS：－21.3点、PCS：－5.4点、PSEQ：2.6点、CSI：－2.6点であった。重回帰分析の結果、動作時痛VAS改善量にはPCS改善量（β＝0.40） が有意な関連を示した（補正R2：0.45）。
【考察】肩関節周囲炎患者の破局的思考の改善に対しては、患者教育や認知行動療法などの多角的なアプローチが必要であると考える。一方で、破局的思考以外の心理的要因については、病期や罹病期間の精査が今後の課題と考える。
【結論】肩関節周囲炎患者における動作時痛改善に関わる心理的要因はPCSの改善量であった。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.