Chair)
雅司 萩原
(習志野第一病院 整形外科)
【目的】当院では鏡視下骨孔腱板修復術(以下ATOS)の疼痛管理を(ア)執刀前に斜角筋間ブロック(ポプスカイン0.5%注とデカドロン注射液)(イ)閉創後自己調整鎮痛法(以下PCA)の持続投与(ウ)リバウンドペイン先制コントロールで執刀7時間後ボルタレン坐剤投与としている。斜角筋間ブロックにより術直後の疼痛はないが、課題はPCA薬剤の副作用による離床遅延と(ア)の現行薬剤へ変更した後効果に則した(ウ)の変更をしておらず、(ア)の効果が持続している最中での(ウ)は介入する時間が尚早となっている事であった。そこでリバウンドペイン対策(イ)(ウ)の検討及び介入タイミングと鎮痛効果の調査を行った為報告する。
【対象と方法】ATOSを受けた2022年9~12月までの(ア)(イ)(ウ)実施患者19名(以下従来群)と2023年2月以降の患者5名(以下新規群)に分類した。従来群の斜角筋間ブロック実施からNRS1以上となるまでの時間(以下初回疼痛時間)の平均19時間47分を参考に新たな介入タイミングを導出し、新規群にはPCAを中止した上で斜角筋間ブロック実施後18時間30分後にアセリオ注射とその6時間後にボルタレン坐剤投与を行った。データの解析にはマンホイットニーU検定(P<0.05)を用い両群の初回疼痛時間の平均値と初回疼痛出現時のNRS値を比較した。
【結果】PCA中止で離床遅延がなくなった。初回疼痛時間は従来群の平均値19時間47分に対し新規群は18時間56分で検定はP値=0.695だった。NRS値の平均は従来群=3.8、新規群=5.5で検定はP値=0.801だった。
【考察】新規群では離床遅延がなくなり患者に有益となった。有意差はなく新規群のデータが少ない為データ収集を継続し、特にアセリオ注射とボルタレン坐剤の投与開始時間を再検討しリバウンドペイン対策立案が必要であると考える。
【結論】継続して検討を重ね方法と状況に即したリバウンドペイン対策が必要である。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.