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武田 洋一 (習志野第一病院 リハビリテーション科)
柳井 亜耶子 (習志野第一病院 リハビリテーション科)
石井 ちなみ (習志野第一病院 リハビリテーション科)
窪園 友弘 (習志野第一病院 リハビリテーション科)
金子 雄人 (習志野第一病院 リハビリテーション科)
小島 千春 (習志野第一病院 リハビリテーション科)
渡部 友香 (習志野第一病院 リハビリテーション科)
杉岡 佳織 (社会医療法人社団 菊田会 習志野第一病院 整形外科)
【目的】前回研究にて加速度トレーニングで柔軟性の向上が肩関節周囲炎の可動域改善の効果を発揮できるのか検証し有意な結果が得られた課題があった。今回は自主トレーニングの指導を加え症例数を増やし再検討した。
【方法】対象は当院のリハビリに通院している肩関節周囲炎の患者18名とした。夜間痛による睡眠障害、極端な可動域制限、インピンジメント、糖尿病、石灰沈着性肩関節周囲炎である患者は除外とした。これらを運動療法群(以下:対照群)9名、加速度トレーニング群(以下:介入群)9名の2群に分類した。各々週1回の施術を合計4回実施し、初回と4回目の肩関節屈曲角度を測定した。介入群は30Hz、low、30sの設定で上腕三頭筋、三角筋後方線維に対するストレッチと肩甲骨周囲可動域拡大の2種類を実施した。その後通常の運動療法を実施した。両群共に同じ自主トレーニングを指導し、実施状況をセラピストが毎回確認した。
【結果】介入群9名対照群9名を調査した結果、介入群プレテスト111±10.2°ポストテスト126±10.7°有意差p=0.015。対照群プレテスト121±18.9°ポストテスト132±11.8°有意差p=0.018となった。以上から両群ともに肩関節屈曲可動域に有意差がみられると言える(p<0.05)。各9症例の可動域の差の平均は介入群15°>対照群11°と介入群の方がやや高くなった。
【考察】対照群では拘縮予防・柔軟性向上・筋力増強、介入群では上腕三頭筋・肩甲骨周囲筋に対して静的ストレッチ・動的ストレッチを行うことで、伸張部位の血液循環の改善・筋緊張低下・柔軟性向上により効果が得られた。その為両群において有意な差が出たと考えられ、また自主トレーニングを徹底したことで効果が持続できたと考える。
【結論】介入群と対照群の可動域の平均の差を比較すると介入群の方に改善が見られた。また可動域改善には運動療法が必要で、尚且つ自主トレーニングを徹底することでより効果を発揮することができる。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.