写真提供なし
金塚 彩 (千葉大学 整形外科)
北條 篤志 (千葉大学 整形外科, 新潟手の外科研究所病院)
岩崎 龍太郎 (千葉大学 整形外科)
松浦 佑介 (千葉大学 整形外科)
大鳥 精司 (千葉大学 整形外科)
発表者はパフォーミングアーツ医学(Performing Arts Medicine: PAM)を学ぶため、2016年 獨逸(Charite医大)に短期留学、その後英国2017年 University College London(UCL)大学院PAM学科に入学、2018年Diploma in PAMを取得。帰国後診療体制の構築・研究の立ち上げ・音楽大学との連携という課題に直面し、以下のように対応してきた。
【診療体制】 千葉大学整形外科手外科グループ内に外来設立、主に音楽家を対象として診療。楽器演奏の診察による演奏障害評価や演奏復帰を目指すリハビリプログラム導入が特色。ただし大学病院の特性上、保存加療のリハビリ処方が難しく、近医の病院やクリニック様でのリハ通院についてご依頼を差し上げることも多い。音楽家に多いOveruse(使いすぎ)やMisuse(誤用)、フォーカルジストニアに対応できるOTの先生方の育成が必要と認識している。フォーカルジストニアは、当院脳神経内科や精神神経科、リハビリテーション部との診療科間連携により対応。
【研究】三次元的光学式動作解析システムを用いた演奏動作分析に着手。手指は関節が小さく数も多く既報が少なく、標準的な手指の動作解析用計算式がないため、工学部や技術者と連携の上既報を元に検証を行いながら進めている。音楽家の治療目標の根拠となる関節可動域や筋活動について現在データ分析中。また同システムを医学教育学分野でも活用し、熟練者(医師)と初学者(医学生)の採血動作を比較する研究も行なっており、手指の繊細な動作の「うまいへた」や「力み」に関して検討中。
【音大との連携】国内音楽家、特に若い世代の上肢機能障害に関する疫学調査を計画し、東京音楽大学との連携協定を締結し、現在実施について調整中。音楽家の方々との友好的なパートナーシップの構築を目指している。
今後は医学生や研修医などの若い世代にもPAMの面白さを伝えるべく診療や研究の指導を行い、仲間を増やし盛り上げていきたい。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.