戻る 第36回臨床整形外科学会

抄録

Session

菜の花セミナー4    
音楽と整形外科
July 17 th 09:00 - 10:00

Title

Author

写真提供なし
白土 英明 (船橋整形外科病院)

Abstract

【背景】演奏家・バレエダンサーなどの障害はその演奏活動期間が長く、その年代に応じて様々な障害が発生する。今まで、整形外科分野でその実態を科学的に検証し、報告することは行われてこなかった。スポーツと同様に整形外科がこの分野に取り組むことが求められている。【目的】今回、ピアノ、フルート、弦楽器演奏家の障害を、具体例を示し、その治療法に対する提言を行う。【方法】実際のプロの演奏家及びプロを目指す演奏家の障害の実例示し、その障害に対して保存療法、外科的治療を行った。その結果及びその後の演奏活動について述べる。【結果】1例目はバイオリン奏者で、日本のトップレベルのオーケストラの第1バイオリン奏者。慢性腰痛に悩み、演奏活動に支障をきたし受診。理学療法を中心とした保存療法で改善。その後演奏活動を続ける。2例目はプロのバイオリニストで右手指のへバーデン結節で手術施行その後左手指のブシャール結節で演奏活動に支障をきたす。さらに左肩の疼痛で楽器の保持がこんなになり来院。保存療法で軽快する。3例目、4例目はそれぞれプロを目指すピアニスト及びフルート奏者の頸椎障害。いずれも保存療法で軽快した。【考察】整形外科において、アスリートに対するアプローチは従来、積極的に介入され、競技特性の分析も進み、多くの実績、エビデンスが積み重ねられてきたが、演奏家に対する介入はまだ歴史は浅く、楽器特性に基づく分析も行われていない。今後、整形外科医が積極的に関与していくことが求められる。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.