戻る 第36回臨床整形外科学会

抄録

Session

主題6    
足関節周囲外傷の診断と治療
July 17 th 09:10 - 09:50

Title

Author

写真提供なし
木村 青児 (千葉大学 整形外科)
山口 智志 (千葉大学大学院 国際学術研究院)
三上 行雄 (千葉大学 整形外科)
中嶋 啓文 (千葉大学 整形外科)
伊藤 竜 (千葉大学 整形外科)
戸口 郁 (千葉大学 整形外科)
坂本 卓弥 (千葉大学 整形外科)
佐粧 孝久 (千葉大学 整形外科, 千葉大学 予防医学センター)
大鳥 精司 (千葉大学 整形外科)

Abstract

【目的】若年者では足関節骨折術後に早期荷重を行うことにより早期の機能回復が得られ、合併症も増加しないことが報告されているが、高齢者においても早期荷重による利益が得られるかどうかは明らかになっていない。本研究の目的は、高齢者における足関節骨折術後に早期荷重を行うことにより、合併症を増やすことなく早期の機能回復が得られるか、を検討することである。【方法】2021年7月から2022年7月に65歳以上の足関節骨折に対して手術を行った患者を対象とし、6施設で前向きに調査した。多発外傷、開放骨折、骨折前に独歩不能であった患者は除外した。術後2週以内から荷重を開始した群(早期群)と、術後3週以降から荷重開始した群(晩期群)の2群に分け、術後12週におけるEuroOol 5Dimension(EQ-5D-5L)と患者立脚型評価であるSelf-administered foot evaluation questionnair(SAFE-Q)、合併症の有無、患者背景を調査した。 2群で術後12週におけるEQ-5D-5LとSAFE-Qをt検定で比較した。【結果】対象は25例、平均年齢は74歳、骨折型はAO44-Bが23例、44-Cが2例であった。早期群は13例、晩期群は12例であり両群の患者背景に有意差はなかった。術後12週のEQ-5D-5LのVAS値は早期群で平均85点、晩期群で71点だった(p=0.03)。SAFE-Qの痛みは85点と75点(p=0.15)、身体機能は88点と62点(p=0.005)、社会生活は91点と61点(p=0.005)、靴は94点と68点(p=0.03)、全体的健康感は88点と64点(p=0.01)だった。合併症は晩期群で1例浅腓骨神経領域のしびれを認めた。【結論】高齢者の足関節骨折術後に早期荷重を行うことにより、術後12週でのEQ-5D-5L 、SAFE-Qは高い傾向だった。高齢者の足関節骨折術後に早期荷重することにより、早い機能回復が得られる可能性がある。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.