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渡辺 章 (東京ふれあい医療生活協同組合 梶原診療所)
【背景と目的】当院では30年以上にわたり地域住民向けの健康づくり講座を行なっており、健康や病気を学び地域の中で活動する健康サポーターを育成している。2012年の着任後、整形外科専門医を持つ総合診療医として、骨粗鬆症・糖尿病・熱中症・認知症についての地域住民向け講演会を担当した。2020年にはロコモを主題とした健康づくり講座を実施し、連動して当医療生協の機関紙の連載や動画配信サイトで内容を紹介した。診療所が行う地域におけるロコモの啓発活動の一例として報告する。
【活動の方法】2020年11月に地域住民約10名を対象に「ロコモを知りましょう」の講演会を実施した。2021年4月および5月の当医療生協の機関紙にて「ロコモを知りましょう」の記事を2か月に渡り連載した。2022年6月に動画配信サイトにて「ロコモを知ろう」を公開した。
【活動の成果と考察】講演会ではロコモを知らない方がほとんどであったが、ロコモの言葉、ロコチェックやロコトレの大切さを印象付けられた。時間と会場の関係でロコトレの実践を行えなかった。当医療生協にて理学療法士が地域向けに行う体操教室の実績があり、今後は理学療法士によるロコトレの実践を講演会に組み込んだり、体操教室のメニューにロコトレを組み込んでいくことで、さらなる啓蒙につながると考えた。機関紙連載後、複数の患者が記事を読んで来院し、骨粗鬆症の診断やリハビリ導入につながった実例を確認できた。新型コロナ流行の影響で大人数での講演会の実施が難しい時期が続いており、会場に来られない方には動画配信サイトによる中継やオンデマンド配信を利用することで、更なる啓蒙につながると考えている。
【結論】ウィズコロナの時代に合わせて講演会、機関紙連載、動画配信サイトなどを組み合わせた多角的な啓蒙活動を行うことで、ロコモの周知や実践、地域の健康寿命延伸につなげられる可能性を感じている。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.