戻る 第36回臨床整形外科学会

抄録

Session

主題13    
乳児股関節脱臼(DDH)を見逃さないために
July 17 th 13:10 - 13:50

Chair

Chair) 真琴 亀ヶ谷
(千葉こどもとおとなの整形外科)
Chair) 西須 孝
(千葉こどもとおとなの整形外科)

Title

Author

及川 泰宏 (千葉県こども病院 整形外科)
亀ヶ谷 真琴 (千葉こどもとおとなの整形外科)
篠原 裕治 (北千葉整形外科 美浜クリニック)
柿崎 潤 (千葉県こども病院 整形外科)
瀬川 裕子 (千葉県こども病院 整形外科, 東京医科歯科大学 整形外科)
都丸 洋平 (千葉こどもとおとなの整形外科)
西須 孝 (千葉こどもとおとなの整形外科)

Abstract

【目的】乳児股関節脱臼の受診時年齢における多施設研究において、1歳以上に診断された症例は全体の15%に及ぶと報告された。我々も健診を受けているにも関わらず歩行開始後に診断され治療に難渋する発育性股関節発育不全を経験した。千葉市では4ヶ月児健康診査に加え、生後3か月から7ヶ月時に先天性股関節脱臼検診を行ない、松戸方式で2点以上の児に対して2次検診を行なっている。検診に際して先天性股関節脱臼検診無料受診券を配布し、1次・2次検診の松戸方式の点数を記載し回収している。平成27年度より股関節検診精度管理委員会を小児科、整形外科、行政の3者により立ち上げ、健診・検診のあり方について検討を行ってきた。今回千葉市での乳児股関節検診の取り組みを報告する。【対象と方法】無料受診券の回収結果から受診機会、小児科医と整形外科医における大腿皮膚溝の非対称、開拝制限、クリックサインの有無について一致率、2次検診におけるレントゲン検査の実施率を検討した。【結果】股関節検診の受診機会について44%が乳児健康診査で指摘され受診したのに対して、56%が無料受診券を用いて自己受診していた。健診・検診における所見は大腿皮膚溝非対称は78.0%、開拝制限は86.0%、クリックサインは94.0%で一致していた。2次検診で35%でレントゲン検査が行われていなかった。【考察・結論】千葉市では4ヶ月健診のほかに、無料受診券配布し自己受診できる機会を設け、受診機会を増やしている。この無料受診券の回収により受診率や健診と2次検診の整合性、2次検診の実態を把握できた。今後さらなる検診の精度を向上するよう検診体制について検討を行っていく。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.