戻る 第36回臨床整形外科学会

抄録

Session

一般演題11    
肩関節1
July 17 th 09:10 - 09:55

Title

Author

写真提供なし
福冨 仁 (船橋整形外科西船クリニック 理学診療部)
関口 貴博 (船橋整形外科クリニック 理学診療部)
宮内 秀徳 (船橋整形外科クリニック 理学診療部)
平尾 利行 (船橋整形外科クリニック 理学診療部)
高橋 憲正 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
松木 圭介 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
上田 祐輔 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
星加 昭太 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
上條 秀樹 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
松葉 友幸 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
玉置 大恵 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
佐々木 裕 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
喜友名 翼 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
原口 亮 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
白土 英明 (船橋整形外科病院 人工関節センター)

Abstract

【目的】我々は肩関節周囲炎患者に対する運動療法を実施し、Shoulder 36 (Sh36)が経時的に改善することを報告した。しかし、Sh36は0~4点で評価する下位項目の平均点を用いるため、改善量が少なく、効果判定の指標が不明確である。そこで今回、その指標を明らかにするために臨床的最小重要変化量(Minimal Clinically Important Difference:MCID)を用いて調査をした。本研究の目的は肩関節周囲炎患者の運動療法実施前後におけるSh36の比較およびMCIDを調査することである。
【方法】対象は2022年6月から2023年2月までに当グループ外来3施設において肩関節周囲炎と診断された40歳以上の188例とした。運動療法は療法士による腱板強化、肩甲胸郭運動、さらに患部外機能改善を含むホームエクササイズを3ヵ月間実施した。調査項目は性別、年齢、運動療法前後のSh36下位項目とした。統計学的解析は運動療法前後の比較をSh36下位項目ごとに行った。さらにMCID(運動療法前後の差の標準偏差に0.5を乗じて算出)を算出し、達成率と効果量(運動療法前後の差を標準偏差で除して算出)を調査した。
【結果】肩関節周囲炎患者は男性68例、女性120例、平均年齢59歳であった。Sh36下位項目の運動療法前後の比較では可動域以外の項目で有意に改善した(p<0.05)。運動療法後3ヵ月のSh36のMCID(達成率、効果量)は、疼痛0.3点(18%、0.2)、可動域0.4点(18%、0.2)、筋力0.4点(18%、0.3)、健康感0.3点(13%、0.3)、日常生活0.3点(12%、0.2)、スポーツ能力0.6点(12%、0.3)であった。
【考察】肩関節周囲炎に対して3ヵ月間の運動療法を実施した結果、Sh36は可動域以外の項目で平均値が改善していた。MCIDは有意に改善した可動域以外の項目においても達成率と効果量が低く、3ヵ月の効果判定の指標としては課題が残るものとなった。
【結論】肩関節周囲炎のSh36のMCIDを示すためには検討方法を再考する必要性が示唆された。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.