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齋藤 梨央 (船橋整形外科クリニック 理学診療部)
関口 貴博 (船橋整形外科クリニック 理学診療部)
梅原 弘基 (船橋整形外科市川クリニック 理学診療部)
平尾 利行 (船橋整形外科クリニック 理学診療部)
高橋 憲正 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
松木 圭介 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
上田 祐輔 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
星加 昭太 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
上條 秀樹 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
松葉 友幸 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
玉置 大恵 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
佐々木 裕 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
喜友名 翼 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
原口 亮 (船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター 肩関節・肘関節部門)
白土 英明 (船橋整形外科病院 人工関節センター)
【目的】
肩関節周囲炎は運動療法が有効とされているがその成績を経時的に追った報告は少ない。本研究の目的は、肩関節周囲炎に対して運動療法を実施した際の疼痛と日常生活動作の経時的変化を検討し、今後の運動療法の一助をすることである。
【対象と方法】
対象は2022年6月から2023年2月までに当グループ外来3施設において肩関節周囲炎と診断された40歳以上の肩関節可動域制限を有する205例(男性74例、女性131例、平均年齢56歳)とした。内服加療や注射の併用を含み、運動療法は療法士による腱板や肩甲胸郭運動、患部外機能改善を含むホームエクササイズを3ヵ月間実施した。検討項目は、安静時痛、夜間時痛、動作時痛のVisual Analog Scale(VAS)、Shoulder36の下位項目である疼痛と日常生活動作とした。統計解析は初回・1ヵ月・2ヵ月・3ヵ月時のVASおよびShoulder36の下位項目である疼痛と日常生活動作について、線形混合モデルによる一元配置分散分析を用いて検討した。下位検定としてTukeyの多重比較を実施した(R4.8.4、有意水準5%)。
【結果】
VAS(安静時痛、夜間時痛、動作時痛)は初回(27.4mm、37.2mm、60.0mm)と比較して1ヵ月(22.1mm、27.6mm、49.0mm)、2ヵ月(20.8mm、26.2mm、43.4mm)、3ヵ月(19.9mm、23.1mm、38.7mm)と有意に改善した。Shoulder36の疼痛は初回(3.1)と比較して1ヵ月(3.3)、2ヵ月(3.3)、3ヵ月(3.4)で有意に改善した(p<0.001)。日常生活動作は初回(3.3)と比較して3ヵ月(3.5)で有意に改善した。
【考察】
肩関節周囲炎に対して運動療法を3ヵ月実施した結果、疼痛および日常生活動作は改善を認めた。疼痛は運動療法実施1ヵ月後から経時的に改善を認めたが、日常生活動作は3ヵ月後に改善を認めた。
【結論】
肩関節周囲炎に運動療法を実施した結果、疼痛および日常生活動作は良好な経時的変化を示した。今後は3ヵ月以降の経時的変化についても検討を進めていきたい。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.