戻る 第36回臨床整形外科学会

抄録

Session

一般演題13    
感染症・医療安全・その他
July 17 th 11:00 - 11:35

Title

Author

写真提供なし
佐藤 貴允 (東千葉メディカルセンター 整形外科)
脇田  浩正 (東千葉メディカルセンター 整形外科)
秋山 友紀 (東千葉メディカルセンター 整形外科)
葉 佐俊 (東千葉メディカルセンター 整形外科)
堀井  真人 (東千葉メディカルセンター 整形外科)
佐藤 雅 (東千葉メディカルセンター 整形外科)
佐藤  祐介 (東千葉メディカルセンター 整形外科)
青木 保親 (東千葉メディカルセンター 整形外科)

Abstract

【研究デザイン】症例報告
【背景】開放骨折に対しては感染予防のために、golden hourといわれる受傷後6時間以内のデブリドマンが望ましいとされている。今回、受傷後6時間以降に発見されたたために、長時間屋外で汚染されていた開放骨折2例を経験したため報告する。
【臨床経過】症例1は62歳女性。運転中に車が横転し、右腕で窓ガラスを突き破り受傷した。受傷8時間後に発見され当院に救急搬送され、右肘関節開放脱臼骨折の診断となり、受傷10時間後に創外固定、デブリドマンを施行し、局所陰圧閉鎖療法を開始した。上腕骨小頭の一部欠損、LUCL損傷、肘関節外側の広範囲皮膚欠損を認めていた。受傷3日後、2ndlookを行い、感染予防のため抗菌薬局所持続灌流療法(continuous local antibiotics perfusion:以下CLAP)を施行し、ヒンジ付き創外固定を装着、術後より肘関節可動域訓練を開始した。その後、感染兆候は認めず、受傷24日後に有茎広背筋弁と分層植皮術を施行した。受傷○日までヒンジ付き創外固定を継続した。術後感染なく筋弁、植皮は生着し、日常生活で不自由なく生活できるようになった。症例2は96歳女性。道路の側溝に転落し、受傷2日後に発見され救急搬送された。右上腕骨骨幹部開放骨折の診断で、搬送同日デブリドマンを施行。受傷6日後に2ndlookを施行。創部の緊張を緩和するために上腕骨を骨折部で短縮し、開放創を閉創した。その後、感染兆候を認めず、受傷20日後に観血的骨折整復固定術を施行した。術後感染なく可動域は健側同等までに改善した。
【考察】本症例は発見が遅れ、開放創が露出したまま放置されたため、感染リスクの高い症例であった。症例1ではCLAP、組織再建ではなくヒンジ付き創外固定長期留置による肘関節安定性担保、症例2では創部の緊張緩和目的に上腕骨短縮を行うことで感染を免れた。
【結論】感染リスクが高い症例に対して、様々な工夫を行うことで感染を防ぐことができた。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.