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永田 拓也 (船橋整形外科市川クリニック 理学診療部)
平尾 利行 (船橋整形外科クリニック 理学診療部)
梅原 弘基 (船橋整形外科市川クリニック 理学診療部)
老沼 和弘 (船橋整形外科病院 人工関節センター)
東 秀隆 (船橋整形外科病院 人工関節センター)
三浦 陽子 (船橋整形外科病院 人工関節センター)
二宮 太志 (船橋整形外科病院 人工関節センター)
濱田 博成 (船橋整形外科病院 人工関節センター)
白土 英明 (船橋整形外科病院 人工関節センター)
【目的】変形性膝関節症は日本理学療法士協会が作成した膝関節機能障害理学療法ガイドラインにおいて、保存療法が有効であることが示されている。しかし、保存療法のひとつである運動療法の成績を経時的に追った報告は少ない。本研究の目的は、変形性膝関節症に対して運動療法を実施した際の疼痛と日常生活動作の経時的変化を検討することである。
【対象と方法】対象は2022年6月から2023年2月までに当グループ外来3施設において変形性膝関節症と診断され、運動療法を3ヵ月間実施した131例(男性37例、女性94例、平均年齢76歳)とした。検討項目は、歩行時痛のVisual Analog Scale(VAS)、LEFSとした。統計解析は初回・1ヵ月・2ヵ月・3ヵ月時のVASおよびLEFSについて、線形混合モデルによる一元配置分散分析を用いて検討した。下位検定としてTurkeyの多重比較を実施した(R4.8.4、有意水準5%)。
【結果】歩行時痛は初回(44.4mm)と比較して1ヵ月(34.7mm)、2ヵ月(27.9mm)、3ヵ月(23.1mm)で有意に低値を示した(p<0.001)。また、1ヵ月と比較して2ヵ月、3ヵ月で有意に低値を示した(p<0.05)。LEFSは初回(57.4)と比較して2ヵ月(60.4)、3ヵ月(62.2)で有意に高値を示し(p<0.01)、1ヵ月(58.7)と比較し3ヵ月で有意に高値を示した(p<0.01)。
【考察】変形性膝関節症に対して運動療法を3ヵ月実施した結果、疼痛および日常生活動作は改善を認めた。疼痛は運動療法実施後1ヵ月から経時的に改善を認めたが、日常生活動作については2ヵ月後に改善を認めた。
【結論】変形性膝関節症に対し運動療法を実施したところ疼痛および日常生活動作は良好な経時的変化を認めた。今後は3ヵ月以降の経時的変化についても検討を進めていきたい。
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.