成長期スポーツ選手を如何に診る―現場とスポーツ医からのメッセージ―
July 17 th 10:20 - 11:50
写真提供なし
永井 聡子 (東京慈恵会医科大学 スポーツ・ウェルネスクリニック)
舟崎 裕記 (東京慈恵会医科大学 スポーツ・ウェルネスクリニック)
岩間 徹 (潤生会岩間整形外科)
斎藤 充 (東京慈恵会医科大学 スポーツ・ウェルネスクリニック)
ストリートダンスは,伝統舞踊やクラシックバレエなどに比べて歴史は浅いが,1970年代から注目され始め,近年ではとくに人気が高まり,現在,日本における競技人口は 約600万人といわれている.さらに,ダンス授業の必修化やプロリーグ化が始まり,パリオリンピック競技大会でブレイキンダンスの種目追加が決定するなど,今後もその普及率は増加を辿ることが予測される.ストリートダンスはジャンルが多く,代表的なHIPHOP,BREAKIN,LOCK,POP,HOUSEなどを含めて15種類ほどあり,ステップは70種類にも及ぶ. 傷害の発生部位もジャンルによって異なり,HIPHOPでは膝関節,腰部,足・足関節の順に多く,また,BREAKINでは肩や手関節・手が多いとする報告やBREAKINでは経験年数が長い熟練者ほど高度な技に挑戦するため障害が多いという報告もある. しかし,前述のような歴史や多様性から、本競技の傷害調査に関する報告は他のスポーツに比べて極めて少ない.当科では高校生のストリートダンサーのメディカルサポートを行っている.入学時には運動器メディカルチェックを行っているが, 高校入学以前では, 専門性をもった指導者が不足しており,適切なウォーミングアップや筋力トレーニングなど基礎・基本練習不足が示唆された.また,入学後の傷害発生時にも対応し,疾患に対する治療のみならず,身体的問題点を抽出し, 指導者にフィードバックすることで再発予防に取り組んでいる.とくに,ストリートダンサーの診察には本競技の基本動作を理解したうえで,診断,治療にあたることが重要と考えている. 本発表ではストリートダンスの代表的な動作を解説し,膝,下腿への障害メカニズムを自験例も含めて考察する.
I don't have COI relationships whitch should be disclosed.