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舟崎 裕記 (東京慈恵会医科大学整形外科学講座 スポーツ・ウェルネスクリニック)
スポーツ傷害によって日常診療に訪れる選手は少なくない。今回の講演では、これらの傷害の診断、治療に関するピットフォールを概説する。スポーツ傷害に対するkey pointは、1.年代で傷害に特徴があること、2.筋系の傷害が多いこと、3.画像所見のみならず、全身評価や動作分析も重要であること、4.痛みの原因は必ずしも筋、骨、関節のみではないこと、5.最終目標がスポーツへの完全復帰であるため、アスレティックリハビリテーションが重要であることなどである。それぞれの項目について、具体例を含めて呈示し、とくに1.では成長期の骨端線に関わる傷害、2.では筋肉の遠心性収縮に伴う肉ばなれ、3. 投球肩障害や鼠径部痛症候群における全身連動性の重要性、4.では血管系のスポーツ障害、5.では、実際の競技復帰にむけた具体的なリハビリ指導などについて解説する。今後の日常診療におけるスポーツ傷害に対する診断や治療の一助になれば幸いである。
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